白衣さんとロボ
まずなんといっても注目したいのが表紙。
畳にちゃぶ台にブラウン管テレビとなんとも昭和レトロな雰囲気のなかでロボが鍋を運んでいる。
なんとも突飛な組み合わだがなぜかうまく調和している。
また、全体として雑然とした感じだが、細部まで丁寧に描かれているので見ていて全く飽きない。
この表紙に一目惚れして思わず買ってしまった。
肝心の中身について。
タイトルや表紙の通り、いつも白衣を着ている天才女学生「白衣さん」と、白衣さんが作ったロボット「ロボ」の日常を描いた四コママンガ。
このロボ、見た目だけでなく中身もなかなか味のあるロボットで、麦わら帽を被って畑仕事をしたり割烹着を着て料理を振る舞ったりして白衣さんに使えている。
さながら昭和のおばあちゃんである。
一方、白衣さんの方はというとズボラで冷淡な性格。
一日中コタツに篭っていたり、寝坊してロボに起こしてもらったりしている。
また、生活費を切り詰めなければならなくなったとき、ロボが「光熱費を削る努力をします」と言ったのに対し白衣さんは「じゃあ私はロボの交換部品代を削って節約するわ」と返答。
このようにロボの必死の奉仕を白衣さんが受け流して一本取るというのが定番の流れになっている。
大体ロボが不憫な感じで落ちるのだが、ロボの人間味あふれるいじらしい反応がなんとも面白く、また愛おしくもある。
もちろん白衣さんとてロボが嫌いなわけではなく、ロボが風邪を引いたら(!?)看病するし、布団が冷たいと言って添い寝をしたりもする。
一見ロボを粗雑に扱っているように見えながら、実は大きな愛に溢れているというのがこの本の大きな魅力の一つだ。