さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

タイトルが衝撃的すぎる

以前どこかで表紙だけを見たことがあり、それ以来ずっとタイトルが頭から離れなかった。

実際に読むまでは、レズ風俗に行った経験をおもしろおかしく描いたりしているのだろうと思っていたがそんなことはなかった

物語は作者がレズ風俗に行く10年前から始まる。

高校を卒業した後、うつ状態になり、職業を転々とする毎日。

マンガ家になって、新しい自分を見つけたかと思うがそれも長くは続かずまた元の精神状態に逆戻り。

辛さの理由を知りたいと思った作者は文献を漁り、自分の内面を考察し始める。

そして「自分自信」の欲求ではなく「親のごきげんをとりたい自分」の欲求で行動していたことに気づく。

本当の自分の欲求を知りたいと思った作者は、子供でありつづけるために自分は性的なことから目をそむけ続け続けてきたことに思い当たる。

こうして作者はレズ風俗に行く決心を固めるのである。

何があっても自分を認めてくれる居場所が欲しい」とか「自分で自分を大切にできていない」という言葉にはギクリときてしまう。

こういう悩みはなかなか他人に相談しづらいし、まして不特定多数の人間に晒すなんてできない。

それをこのマンガは余すことなく赤裸々に語ってくれる。

「生きるために」とか「本当の自分は何か」とかそんな大きなことだけではない。

自分にはハゲがあるから恥ずかしくてレズ風俗に行けない」とかそんな些細な(ハゲは些細ではない!)悩みまでありとあらゆる心の弱さを語ってくれる。

同じような悩みを持った人がいると分かるだけでこんなにも安心できるのかと実感する。

それに、このマンガには事後談もある。

このレポをインターネット上に投稿し、多くの反響を集めた作者。

自分の本当に描きたいものを描く喜び。そして多くの人にそれを届けられる喜び。

生きる喜び「甘い蜜」を見つけ出す。

鬱状態から立ち上がり、甘い蜜を探し出すまでの10年を赤裸々に語ったこの本は、間違いなく大きな勇気を与えてくれ、読んだ人の価値観を変えてくれると思う。